PMBOK(第6版)解説 Part4

PMBOK

日本のビジネスマンなら確実に抑えておきたい、プロジェクトマネジメントの教科書!
PMBOK 第6版について解説します!

PMBOKには仕事を成功させるための秘訣が全て詰まっているといっても過言ではありません。
でも難しすぎて、とっつきにくい、、
そんな方のために、僕の体験も踏まえながらわかりやすく解説していこうと思います!

Part4では「統合」マネジメントのプロセスの1つ「プロジェクト憲章の作成」プロセスについて解説していきます!

また、この話は「よくわかる最新PMBOKの基本」という書籍を参考にしています。
興味をもってみた方は、是非こちらの書籍も手に取ってみてください。

全ての始まり「プロジェクト憲章の作成」

統合マネジメントにおいて、最重要と言っても過言ではないプロセスが「プロジェクト憲章の作成」です。このプロセスを実施しているかどうかで、プロセスの成功率が何十倍にも変わってくるほどです。
このプロセスは「立ち上げ」プロセス群に属します。

プロセスの概要

プロジェクト憲章の作成プロセスは読んで字のごとく「プロジェクト憲章」というドキュメントを作成することです。
プロジェクト憲章は、そのプロジェクト目的や達成基準を記載し、母体である組織に承認されることで完成されます。
具体的には以下のような項目が記載されます。

項目内容
プロジェクトの目的または妥当性ビジネスへ貢献する目標や投資効果
プロジェクトの目標および成功基準測定可能な項目
要求事項概要ステークホルダーの要求事項の概略
プロジェクト記述概略プロジェクト方針
リスク概要この時点で明確なリスク
要約マイルストーン、スケジュール納期などの主たるイベント
要約予算超概算見積り
プロジェクト承認要件判断基準および承認を判断する人と役割
プロジェクトマネージャーの氏名責任と権限を明記
プロジェクトスポンサーの氏名プロジェクトを承認した最高責任者
プロジェクト憲章の記載内容

大事なことは、「どれくらいの期間何をやって何をやらないかを決め、どれくらいのコストがかかるのか?」試算して明記し、周知することです。
これを実施していないと、無制限に期間が延び自然消滅したり、横やり(上司の気分)などで目的を見失いプロジェクトが迷走したり、無制限にコストを使ってしまいプロジェクトの維持が難しくなったりします。

また、上位組織やステークホルダーに周知しておくことも非常に重要です。
なぜなら、上位組織やステークホルダーの多くは、あなたが進めるプロジェクトのことを「他人事」だと思っているからです。
なので、目的や計画、重要性を知ってもらい、協力を得ることが何より大事です。
さらに、周知することでコミットメントと一貫性の原理が働くという副次的な効果も得られます。

上述の通り、「プロジェクト憲章の作成」プロセスは非常に重要なプロセスです。これだけやっておけば問題ないという訳ではありませんが、これがなければ失敗する確率が跳ね上がること間違いなしです。一番避けたいのは、プロジェクトが発足したことすら認知されていない状況に陥ることです。

プロセスのインプット/アウトプット

「プロジェクト憲章の作成」プロセスには以下のようなインプットとアウトプット、アウトプットを作成するために必要なツールや技法が必要になります。

プロジェクト憲章の作成

インプット

  • ビジネス文書
    • そのプロジェクトにお金を掛ける価値があることを組織に知らせるもの
    • そのプロジェクトのベネフィット(価値)や運用方法を記述
  • 合意書
    • 契約書が無い場合に、契約書の代わりとして作成する
  • 組織体の環境要因
    • そのプロジェクトの制約やリスクになる可能性のある法規制や業界標準などの環境要因を記述
  • 組織のプロセス資産
    • そのプロジェクトが属する組織が保有する資産のうち、プロジェクトでも流用可能なものを記述

アウトプット

  • プロジェクト憲章
  • 前提条件ログ
    • プロジェクト立ち上げ時点の見えている前提条件やリスクを記述する
      ただし、この前提条件はプロジェクトが進む内にどんどん変わっていくものであることが多いので、作りこみ過ぎないことが重要

ツールや技法

  • 専門家の判断
    • プロジェクトの進め方について、知見者に相談します。
      会社であれば先輩や上長にプロジェクトの進め方に問題がないかを相談します。
  • データ収集
    • ステークホルダーに要求を聞いたり、そのプロジェクトについて知見を持っていそうな人にアドバイスを受けたり、ブレーンストーミングで意見を出し合ったりりします。
  • 人間関係とチームに関するスキル
    • メンバー同士の対立や、グループワークを誘導するファシリテーション能力、会議の準備などの渉外・折衝能力など
  • 会議
    • ステークホルダーとプロジェクトの目標やスケジュールなどを話し合う

まとめ

本Partはここまで!

統合知識エリア×立ち上げプロセス群に属する「プロジェクト憲章の作成」プロセスについて解説してきましたが、ざっくりとでもその内容を理解いただけたでしょうか?

「プロジェクト憲章の作成」において何よりも大事なのは、そのプロジェクトの目的や目標、やるべきこととやらないことの特定、上位組織やステークホルダーに周知して協力を得られるようにするということです。

次回は統合知識エリアの「プロジェクトマネジメント計画書の作成」について解説していきます。
ここまでお読みいいただきありがとうございました!次回もよろしくお願いいたします。

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