PMBOK(第6版)解説 Part1

PMBOK

日本のビジネスマンなら確実に抑えておきたい、プロジェクトマネジメントの教科書!
PMBOK 第6版について解説します!

PMBOKには仕事を成功させるための秘訣が全て詰まっているといっても過言ではありません。
でも難しすぎて、とっつきにくい、、
そんな方のために、僕の体験も踏まえながらわかりやすく解説していこうと思います!

Part1では、そもそもPMBOKってなに?おいしいの?と思っているあなたに、PMBOKとはどういうものか?その概要を解説していきます。

また、この話は「よくわかる最新PMBOKの基本」という書籍を参考にしています。
興味をもってみた方は、是非こちらの書籍も手に取ってみてください。

プロジェクトマネジメントの知識は全ビジネスマン必修!

プロジェクトマネジメントは管理職の人にのみ必要とされる知識なのでしょうか?

この記事を読んでいただいている人は、その答えがわかっているかもしれません。
答えはNoです!

理由は、就職活動の際などに「リーダーをした経験はありますか?」と問われる理由と同じです。
マネジメントの経験は実際にマネジメントを取り仕切るリーダーより、リーダーの指揮下に入り指示を受ける側にこそ必要になるからです。

指示の内容や目的を正確に理解し、業務を遂行するだけでなく場合によっては1歩先をいく行動を実施するために、リーダーやマネジメントの知識や経験が必要になるのです。

このマネジメントの知識を体系的に効率よく学べるのがPMBOKです。

PMBOKとは?

PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)は様々な業界のマネジメントのノウハウを体系的にまとめた世界標準ガイド、つまりプロジェクトマネジメントの教科書です。

1987年にプロジェクトマネジメント協会(PMI)より発行され、様々な分野の知見や実務慣行を取り入れながら、4~5年に1度のペースで改訂・発展されています。

そのため、PMBOKはPMIの倫理規定に準拠して発展しています。
その倫理規定は以下の通り。

  • 責任:意思決定と行動のオーナーシップ
  • 尊敬:人々と資源の適切な取り扱い
  • 公平:客観的で公平な意思決定を行うこと
  • 誠実:真実を理解し、真実に基づいた行動をとる

つまり、PMBOKが目指す理想のプロジェクトマネージャー像とは、

主体的で公平な視点をもち、感情ではなく理論的に物事を判断することができ、なおかつ周囲の人間に好かれている人である。

責任を欠くとプロジェクトは成り立たず、尊敬を欠くと人がついてこず、公平を欠くとチームが崩壊し、誠実を欠くとプロジェクトのゴールや現在位置が曖昧になります。

まずはこの倫理基準を理解することが重要となります。

プロジェクトとは?

さて、質問です。
今までさんざん出てきた「プロジェクト」という単語ですが、
あなたはこの「プロジェクト」とは何かを説明できますでしょうか?

あなたが日ごろ従事している業務は「プロジェクト」ですか?
大勢の人が集まって仕事をすることでしょうか?
あるいは、会社の運営こそが「プロジェクト」でしょうか?

この問いに正確には答えはありません。人によって答えが違うからです。
しかし、曖昧なものを曖昧にしたまま、体系的な知識を作成することは不可能です。

そこで、PMIは「プロジェクト」の定義を以下のように定めました。

プロジェクトマネジメント協会が制定しているPMBOK(第5版)の定義では、「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」とされている。つまり、会社などの通常業務や、継続的な運用管理、あるいは改善活動などは、特に開始と終了が定義されていないので、「プロジェクト」とは呼ばない。ただし、特定の期限までに特定の建築を行う、製品を開発する、システムを構築する、などは個々のプロジェクトになりうる。
複数のプロジェクトを「プログラム」と呼び、全体管理や全体最適を含む複数プロジェクトの管理を「プログラムマネジメント(プログラム管理)」と呼んでいる。

Wikipediaープロジェクトより

つまり、
「開始と終了が明確に定義された、有期的な活動」
です。

たとえプロジェクトと銘打った活動をしていても、開始を誰にも宣言していなかったり、何を持って終了とするかが決まっていない場合、それはプロジェクトとみなされません。

逆に、「俺、クリスマスまでに彼女作る!」と友人に宣言し恋活をする場合、それはプロジェクト足りえます。
開始の宣言があり、終了条件が明確(彼女ができること)で、終了と同時に確実にプロジェクトが終了する(有期的)からです。

開始と終了が明確で有期的であれば、プロジェクトメンバーが多数だろうと1人だろうと関係ありません!

プロジェクトの特性と5つのプロセス

PMBOKでは、プロジェクトを
①立ち上げ、②計画、③実行、④監視・コントロール、⑤終結
の5つのプロセス群に分けて分類します。

5つのプロセス

各プロセスには、インプットとアウトプット、プロセスを実行するために必要なツールや技法が設定されています。

また、プロジェクトには様々な制約条件があります。
プロジェクト毎にインプットや求められるアウトプット、使えるツールや技法が制限されていることがほとんどだからです。この制約条件を最適なバランスで調整することが重要になります。

例えば、クリスマスまでに彼女を作るプロジェクトの場合

  • キムタクばりの容姿
  • 前澤社長ばりの財力
  • さんまさんばりのトーク力

が揃っていれば、明日にも完了してしまうでしょう。
しかし、現実はこの全てどころか、1つも持っていないことが多いです。
プロジェクトを完遂するためには、無いものを嘆く前に今持っているカードのみでどう戦うか?ということを考え調整することが重要なのです。

ちなみに、この調整のことをPMBOKではテーラリングと呼んでいます。

マネジメントの10の知識エリア

プロジェクトを進めていくと、さまざまな課題に直面します。
PMBOKは、この様々な課題を分析し、10個の要素に分類しました。そして、この10個の要素に対処するための知識体系を知識エリアと呼んでいます。

10の知識エリアは以下のようになっています。

  1. 統合マネジメント
  2. スコープマネジメント
  3. スケジュールマネジメント
  4. コストマネジメント
  5. 品質マネジメント
  6. 資源マネジメント
  7. コミュニケーションマネジメント
  8. リスクマネジメント
  9. 調達マネジメント
  10. ステークホルダーマネジメント

この10の知識エリアと、先ほど説明した5つのプロセスに分けてプロジェクトを管理・遂行していくことが非常に重要なのです!

まとめ

本Partはここまで!

簡単におさらいすると、今回のPartで覚えて欲しいことは以下です。

  • プロジェクトマネジメントの知識はリーダーだけでなく、全てのメンバーが持っていた方が良い知識であること
  • PMBOKはプロジェクトマネジメントの世界標準の教科書であること
  • PMBOKはプロジェクトを5つのプロセスと10の知識エリアに分けて管理・遂行することを推奨している

次回は5つのプロセスと10の知識エリアに分類された49のプロセスについて解説していきます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

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